マツオの音にあふれる日々

音楽にあふれる日々を記します

上原ひろみ/「プレイス・トゥー・ビー」日本ツアーin札幌


2009年11月17日(火)19:00開演
札幌教育文化会館大ホール


とうとう行く事ができました、上原ひろみ
スパイラルをTVで聞いてから一瞬にして心を奪われ、上原ひろみのトリコになってしまった私。
何度も何度も聴いては、聴くたびに色々な想いをめぐらせて、大切にしてきたアーティストです。
そして、いつかはライブに行きたいと思っていた折、NEWアルバムのツアーが札幌でも開催されることになり、努力の末、チケットを確保したのでした。


今回は、新作「PLACE TO BE」のツアーでした。
上原ひろみにとって初のソロアルバム。
20代最後に必ず録っておきたかったといって作ったアルバムです。
初めて聴いた時、少し涙がでました。
ソロということで、どんな仕上がりか心配していたのですが、想像以上のものを彼女は届けてくれたことに感動したのです。
それから、何度も聴きライブの日を待っていました。


上原ひろみは分野で言うとJAZZだから、コンサートっていうんじゃないのって思いますよね。
私も、気分はコンサートって感じでいきましたが、そんなんじゃなかった。
ライブですあれは。
ものすごい全身で音楽を奏でて、一人なのに何人もいるかのような音の数。
いきなり圧倒されました。
最初はJAZZの定番曲(曲名はしらないけど、聴いたらみんなも分かるような曲)からはじまりましたが、上原ひろみの世界に一気に連れていかれました。


私は、JAZZライブに行く事自体が初めてでした。
なので、CDと実際の演奏ではどれくらいアレンジが違うのか分からなかったのですが、今回の演奏では比較的CDの音に近いような気がしました。
それでも、「BQE」のサビが始まった時は、同じアレンジなのに、全然違うものに感じられて、そして、全身で表現する上原ひろみを見ながら音を聴くという、最高に気持ちいい瞬間が訪れました。
上原ひろみは、演奏しながら合いの手(ウーとかアーとか)をいれるんです。
まるで歌いながら演奏しているみたいで、内なる感情を抑えきれず爆発させているのがよく分かりました。
こちらもそんな気持ちを一寸たりとも逃さないぞという気合で見ましたが、あの表現には度肝を抜かれます。
本当に音楽を愛しているんだっていう気持ちがこれでもかってくらい、伝わってくるので、こちらまでハッピーな気持ちにさせてくれて、本当に音楽で伝わるものってあるんだって思いました。



第2部では、私の大好きな「スパイラル」から、「古城,川のほとり,深い森の中 」(だと思いますが)を演奏してくれました。
まさか、スパイラルから演奏してくれるとは思わなかったので、ものすごく嬉しかった。
あのアルバムが出来てから何年もたち、何度も演奏を重ねてきた結果の、今回の演奏です。
CDと同じサビなのに迫力が全然違う。
生の音楽の持つ、エネルギーの大きさ、そして音は成長するんだってことをまざまざと見せてくれました。


上原ひろみは、比較的早いテンポやノリのいい曲は得意分野ですが、しっとりとした曲はそんなにピックアップされない印象があります。
しかし、アンコールで弾いてくれた、「PLACE TO BE」はそんな思いを払拭してくれるすばらしい演奏でした。
居場所を与えてくださってありがとうという気持ち、とても伝わってきました。
音を通して、人と人がつながれる喜び。
そういう瞬間を感じ取れた事、そして共有できたことに、私も感謝の気持ちでいっぱいです。


アンコールのあと、鳴り止まない拍手に、上原さんは速攻でもう1曲弾いてくれました。
それは、観客の手拍子と一緒に演奏され、上原さんはピアノで、私たちは手拍子で一つの曲を完成させ、最高のコラボレーションでした。
北海道はこれから寒い冬が到来します。
冬を乗り越えるには相当のエネルギーが必要ですが、このライブに行って、上原ひろみからものすごいパワーを受け取ってきました。
今年の冬は無事乗り越えられそうです。


あの音、もう一回聴きたいけど、あの瞬間だけのもの。
そう思うと、頭のなかで何度もいろんな旋律が鳴り響き、他の曲やCDを聴くのをためらってしまいます。
まだ当分、この余韻に浸っていたいそんなライブでした。
札幌に来てくれてありがとう!!